通りすがりの・

私の家から職場までは、山道を越えて行かなければなりません。道幅も狭いため、大型トラックやワゴン車との離合も難しく、タイミングによっては大きな時間のロスになることも珍しくありません。

仕事でトラブルや翌日の準備などの雑用が重なり、帰るころには日付が変わっていました。にっちゅうであれば通勤の車や、工事中車両が多く、すいすいとは進めませんが、この時間になればさすがに車の往来は少なく、すぐに家路に着けると思いました。

さて、スムーズに車も進み帰ってビールでも呑もうかなと考えながら運転していると、目の前に、なんと大きな猪が現れたのです。

のっしりのっさりと、見れば夫婦で仲良く道を渡っているのです。そして律儀にも道の真ん中で一旦停止し、こちらを見ています。

私を敵と思ってるのかな?突進してこないよね?停まってくれたことに感謝してるのかな?あれこれ考えたといってもやはり戦慄で、ほんのわずかの時間だったのかもしれません。

息をのんで待っていると、なんとその後ろから可愛い赤ちゃん猪が3匹道を渡っています。それを見守るように夫婦の猪が改めて横断しはじめました。

そうか、子供達を待ってたのか、車にひかれないように、守ってたんだね。考えてみたらあなたたちより車の方が大きくてこわい怪物だもんね。

おどかしてごめんな。ちびちゃんたち、元気に大きくたくましくなってね。けど、大きくなっても私は敵じゃないないからね。

忘れないでほしいな。そんなことを考えながら家に着きました。http://www.ner-trap.com/